忖度

患者さまご本人と介護者であるご家族様の意見が対立する事例に立ち会いました。

 

現状がしんどいため、輸液は減量し持続疼痛緩和をしてほしい患者さま

栄養をつけて少しでも長生きしてほしいと願うご家族様

 

患者さま本人の意見を即採用し、輸液減量&PCA導入するのではなく、ご家族様などの患者さまに関わる人々のお気持ちも尊重し、今日は現状維持のままで、ご家族でよく話し合って頂いて、その上で方針を決めましょうという話し合いとなりました。

 

確かにご本人様のお気持ちが最も大事ではありますが、「本人がこのように希望しているのだから、そうしましょう」とすぐに100%その意見を通すのではなく、残されたご家族様が後悔のないようにする、その配慮も欠かせないものであると言われました。

 

たとえその時結論が出ず、「コレ」というまとまった結論やご家族が納得するような正解が用意できなかったとしても、ご家族様が悩み考え抜くという行為そのものに大きな意義があるとのことです。

 

患者及びその家族を思いやり、また意思決定の際には、正しい現状(患者さまの状態など)を伝え、意思決定の材料と場を提供してあげることも医師の役割だと教わりました。

 


お勉強time

午後は江籠平さんによる在宅医療にまつわる制度に関する講義でした。

 

「あぁ…国試前に詰め込んだけど、もう覚えていない…」

 

と過去の努力が忘却の彼方にいってしまったことを嘆いたり、

 

「病院で何も分からずやらされていた業務は、この制度のために必要だったんだ!」

 

と1年間やってきた業務の意味に今頃気づいたりしていました。


 

制度をうまく利用し、医療機関・患者さまにとって最良の医療を届けられることは理想な状態です。

それを達成するために、医療制度を把握しておくことも我々医師の仕事の一つと言えるのかもしれません。

 

いざ医療制度を勉強しようと、在宅医療制度の本を開いては見たものの、快晴ぽかぽかな陽気の平日昼下がりには酷な作業でした。

頭では分かっていても、染みついた習慣を変えるのは一筋縄ではいかなかったようです…zzZ


朝活

「たんぽぽ寺子屋」に参加しました!

 

先週よりスタートした勉強会です。

朝カンファ前の30分を使って、火金の週に2回行っています。

 

今回は、田中先生による「めまいと顔面神経麻痺」をテーマとした耳鼻科領域の講義でした。

今までに勉強した知識の確認、臨床での実際を知ることができて、とても有意義な朝となりました。

 

たんぽぽには専門領域を持っている先生たちも多いです。

私の勤務病院だと他科コンサルトは少々敷居が高く、ちょっと分からないから相談しよう!ということができないのですが、たんぽぽでは本勉強会も含め、各々の強みを活かし、互いにその知識や経験を他の医療者と気軽に共有しあえる環境があり、素晴らしいと思いました。


後半折り返し

研修も残すところあと2週間となりました。

 

本日午後は訪問診療に同行させていただきました。

 

足のしびれ感に悩んでいらっしゃいました。

しびれ感の原因として最も疑わしいのは薬であると考え、ご自身で現在処方されている内服薬を全て中断されておられました。

 

それに対し、永井先生は否定や説得など一切されず、ご本人様が納得のいくようにすることが大事と言わんばかりに、その方針を受け入れていらっしゃいました。

 

楽なように

やりたいように

後悔しないように

 

これぞ永井先生の理念に沿った接し方であると思いました。

 

病院では予後が短い方であろうと、「あれしちゃダメ、これしちゃダメ」と禁止することが多いです。こういった対応をされて、医療機関嫌いになってしまう患者さまは少なくありません。こういう方たちに、否定だけではない医療があるということを知らせ、その医療を受けさせてあげたいし、医療者側にもこのような世界があるということをもっと知ってもらいたいと思いました。

 


食事

今日は永井先生による理念研修でした。

講義中、今までの病院での研修で経験したこと、感じていた違和感などさまざまなことが頭をよぎりました。

 

この生涯で、一体どれだけの食事をできるのだろうか。

限りある命で、今のような食事をできるのも有限だと考えると、一食たりとも不本意な食事をしたくないと思ってしまいます。

不本意な食事をすると凄く落ち込んでしまいます。

 

私自身、食べることにこだわりがあるからこそ、患者さんに対しても希望する食事をとらせてあげたいという気持ちがあります。

 

病院で、誤嚥性肺炎で1ヶ月以上絶飲食させられていた予後の短い患者さんが、ご飯が食べたいと言って暴れ、いざ流動食から食事が開始された時に、涙を流して喜んでいた姿を何度も思い返します。

 

巷の病院であれば禁食扱いであろう患者さんに、望むご飯や飲み物を提供するたんぽぽの取り組みを見た時に、あぁ…こんなことが出来るのか、していいのか、と感動しました。

今まで病院の指針が私の中のすべてであったので、それとはまったく違う世界があることにとても嬉しく思いました。

 

「食べたい」というのは人間の根源的欲求です。

残された命が短いのに、なぜ本人のその強い欲求や願望をおさえつけてまで、食べさせないのかとずっと思い続けていました。

 

患者さまのやりたいように、悔いのないようにすごせるよう力添えしてくれる人たちがいる。それを知ることができただけでも、この研修に来られて良かったと思いました。


トンネルを抜けるとそこは

今日は待ちに待った俵津診療所です!

 

予習していましたが、実際はどんなところなのだろうかとわくわくしていました。

 

卯之町駅から診療所までの道中、ずんずんと峠を登りますが、その途中にはトンネルがあります。

そのトンネルを抜けると今日の現場が眼前に広がっていました。

リアス式海岸の宇和海に面し、緑生い茂る木々に囲まれた西予市。なんと美しいことか、と感嘆の声をあげました。

 

午前中は永井先生と外来を担当させていただきました。

診察の合間に、以前の俵津診療所の状況や西予市の地形、周囲の診療施設状況などを教えていただきました。

 

徐々に医療施設が少なくなり、近くに行ける病院がないために、バスに長時間揺られて診療所に来られている患者さんも少なくありませんでした。

診療所の待合室をちらりとうかがったところ、設立当初の苦労などみじんも感じられないくらい、診察を今か今かと待ちかまえている患者様でひしめきあっていました。

この診療所がいかに求められているかを感じた一幕でした。

 

午後は、診察同行させていただきました。

その中の患者さまで、骨折疑いが判明しました。

 

しかし、ご家族は介護に非協力的、患者さまご自身はご近所に親しい人はいない。

 

ー 頼れる人が誰もいない ー

 

自分には状況を劇的に打破する術はないことに、歯がゆい思いをしました。

なんとか患者さんのために最善となるであろう道を模索し、その場は一時的に凌ぐことができましたが、以前よりこういう事態を繰り返しているとのお話を伺い、義憤や悲哀などの感情の波が立ちました。

 

今まで病院にいる間には直面しなかった事態でした。


意思決定

患者さまの今後の方針を確認する場へ同席させていただき、急変時やお看取りについて考えることになりました。

 

その場にいた人たちが患者さまの意思決定支援者となり、本人ならどうしたいだろうかという「意思の汲み取り」をおこないました。

 

ご自分の希望を発せられた時におっしゃっていた「病院にはなるべく行きたくない」との発言など、過去のご本人さまの情報を頼りに、皆で方向性を決め、確認しあうこととなりました。

 

今までの私は、Aの場合はBする、など法則や正解のあるものを追う安易な事ばかりしていた気がします。

今日のような事態に出会ったら自分はどういう思考をして、行動をおこすのか…などを考えていたら、低血糖になってフラフラになりました。

 

明らかな答えのないものを模索することはなんとエネルギーのいることか!

そして、いかに私はものを考えずに生きてきたのか、また考える資料となるものが自分の中にないのかを実感させられた一日でした。


医者の役割

大学病院では、緩和ケアが必要になると判断した時点で、ペイン専門の先生たちにコンサルトをかけていました。

また、必要との判断は、大体は身体的疼痛の訴えが契機になっていました。

 

WHOの緩和ケアの概念に乗っ取るのであれば、緩和ケアの必要性が生じるのは、生命を脅かすような疾患にさらされた時点と言えると思います。たとえ身体的疼痛がなくとも、たとえば疾患を告知され恐怖や不安を感ずるなど、心理的・スピリチュアルに疼痛を感じた時点で緩和ケアは開始しなければなりません。

 

身体面にばかり注目しがちな治療をしていると、その他の面への気づきが遅れ、緩和ケアの導入は遅くなってしまいます。

治すためだけではない医療を提供する意識を持ち合わせなければいけないと感じました。


 

治療するのが医者の役割。

不正解でもないですが、正解でもないように思います。では、医者の役割とはなんなのでしょうか。

矢野先生は「どう死なせるか」の役割があるとおっしゃっていました。

生かせるための所謂治療といわれる医療とは真逆の考え方ですが、その側面は否定しえないと思いました。

 

医者の役割とは。この問いに対する明確な答えは未だ私の中には用意できていません。

この研修の間で、少しでも答えの一助となる何かを見つけられればと思っています。


問診

訪問診療に同行することも増え、徐々に診療の流れも分かってきたこともあり、患者様を担当して診察させて頂く機会も増えてきました。

 

身体診察は大学病院で培ったことが概ね通用しますが、問診についてはまだまだ力不足だと感じる部分が多く、先生の助けを借りながら乗り切っています。

 

大学病院では患者さんの数が多く、診察時間内に全員分を行おうと思ったら、一人数分診察しか行えません。

治療に直結するようなことなど必要なことばかりを尋ね、また質問から話が脱線すると遮り別の質問を投げかけることも多々ありました

 

しかし、クリニックの先生方の診療を見ていくと、生活の流れを軸にして会話を行い、それにより自分達の知りたい情報を聞きだしておられるのを拝見いたします。患者さんが沈黙しておられれば、じっと沈黙を守ったりもしています。

 

流れが不自然ではなく、また一方的に語り続けるだけではない相方向的な問診スキルをこの研修で身に着けたいと思っています。


day 5

本日のメニューは診察同行、講義でした。

 

ある患者様が在宅医療に切り替えたところ、ご本人様の摂食量は増え、排尿困難もなく経過し、活き活きと生活できるようになり、ご家族様も在宅医療がないとやっていけないと訴えかけるほどになりました。

 

総合病院での医療は、患者様に有害事象をおこさせないため、また病院・医療者自身の安全を守るため、時として過剰な医療を提供してしまう事があります。

 

今回の事例を鑑みるに、実際は在宅にいる安心感や医療従事者との関係性が良好であったなどの複数の因子が絡みあっており、総合病院で行った医療が無駄であったというただ単純な話でもないのでしょう。

しかし、行った医療の結果が患者さまの損失になっていることを考えると、リスクマネージメントで行うややマニュアルに乗っ取った制度には考える余地があると思いました。

 

こういう時はこういう対処をすべしという風に、白黒はっきりつけられず難しい事案なのですが、患者さまのためになるような医療づくりをできるよう考えていきたい問題だと思いました。

 


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