医師として

今日はついにたんぽぽクリニックでの研修最終日でした。

1月になってからいいお天気が続いていたのですが、久々にまとまった雨が降った一日でした。

 

1か月の研修で「在宅医療=まち全体を病床として多職種で医療を提供し、その人らしい生き方を支えること」だと感じました。

 

私はこれまでの初期研修を経て「必ず終わりがくるのなら最期は穏やかに、やりたいことして過ごせることが当たり前になればいいのに。」という思いが強くなり、緩和医療や在宅医療に興味をもち、たんぽぽでの研修を希望しました。

 

私の思いを端的に表したのが、まさにたんぽぽクリニックが大切にしている「楽なように、やりたいように、後悔しないように」だと思います。職員の皆さんがその理想を実現するためのサービスを提供し、現実にしているのを見て感動しました。

 

この研修中に何よりうれしかったのは、患者さん・ご家族が笑顔で迎えてくださることでした。

 

我々を必要とし楽しみに待って下さっている方がいることを実感し、その方たちのために自分が医師として何かできることがあるのなら、いつかまたいろんな技を身に付けて戻って来たいと思いました。

 

短い時間でしたが貴重な研修をさせていただいたき感謝しております。

 

患者さん、そのご家族の方、職員のみなさん、ありがとうございました。

 


医療制度

今日の午前は江篭平さんの講義第2弾で、午後は診療に同行しました。

 

今日の講義では訪問看護や訪問リハビリに関わる保険制度について教えていただきました。

たんぽぽクリニックで在宅医療を学び、患者さんの生活を支えるために多職種で関わることの重要性を改めて痛感しています。

 

自らの身の回りのことをすることが難しい方で、身近な方のサポートを受けられない厳しい環境であっても、必要に応じて訪問看護・介護・リハビリ・マッサージなどのサービスを提供することで、過ごしたい場所でその人らしい生活を営むお手伝いが出来ます。

 

改定が繰り返される医療制度の中で様々な職種の仕事がより正しく評価され、患者さんたちにも還元されていくといいなと思いました。

 

午後の診療同行で訪ねた患者さんは皆さん状態が落ち着いており、それぞれ穏やかに過ごされていました。

 

病院で研修しているときは病気で辛そうな患者さんが治療により元気になっていく姿にやりがいを感じていましたが、訪問診療を行っていると変わりなく穏やかに過ごすことができている患者さんの笑顔が一番好きだなと思うようになりました。

 

明日はいよいよ研修最終日です。何事にも最後は来ることはわかっているのですが、やっぱり寂しいものです。


医療者の無知は患者にとって罪

今日の午前は江篭平さんに在宅報酬についてご講義頂き、午後は訪問マッサージに同行しました。

 

午前の講義では訪問診療に関する在宅報酬の考え方や制度の詳細を教えていただきました。

 

永井先生の「医療者の無知は患者にとって罪」という教えを胸に、制度の理解に努めようと1月初旬から本を読み進めていましたが、日本の医療制度は1か月の研修中に片手間で習得できるような柔なものではありません。

何気なく行っていた診療がこんなにも細分化され、評価されているとは想像もしていませんでした。

 

一人で本を読むだけでは理解が追い付かず気が遠くなっていましたが、ご講義頂いたことで少し頭が整理されたように思います。

 

午後は鍼灸マッサージ師の沼井さんに同行し、鍼治療を行っているところを見学させていただきました。

 

訪問診療では患者さんの体調についてのお話をメインに伺っていますが、今日は患者さんの昔のお仕事やご家族のことなどを伺うことが出来ました。

 

診療だけで患者さんやご家族のお人柄や思いを全てくみ取ることは難しいため、多職種で関わって情報を共有することが大切だと再認識しました。

 

 

今日はよく晴れていたので記念写真を撮りました。

永井先生・橋本さんとクリニックの前で『(ゆうの)森』のポーズ!


方言のあたたかさ

今日から管理栄養士の橋本さんが研修にいらっしゃっています。

朝の全体カンファでごあいさつなさっているときの鹿児島弁のやわらかいイントネーションがお人柄を表しているようで、印象に残りました。

 

大学時代、中四国や関西を中心にさまざまな場所出身の友人に囲まれ、同じ意味の日本語でも方言によって受ける印象も変わることを知りました。

また、何気ない会話中に標準語だと思っていた言葉を聞き返され驚いたこともありました。

 

友人たちの様々な方言に影響を受け、卒業後は仕事で敬語を使う頻度が増えたことで、今では伊予弁を使うことは少なくなっています。

 

しかし、診療中にご高齢の患者さんから伊予弁で話しかけて頂くと、自然に口から同じ言葉が出てきます。

そういえば子供の頃、普段伊予弁で話す母が母方の親戚と電話する時だけ故郷の言葉で話すのを不思議な気持ちで見ていたことを思い出しました。

 

同じように私の中で眠っていた伊予弁が引きだされることに驚くと同時に、患者さんたちとの距離も縮まるような印象も受け、方言の不思議なパワーを実感しています。


正統派カクテル

今日は初診の患者さんのお宅へ伺いました。

お酒を愛してやまない方で、お酒は進むのにお食事は進まないとご家族は心配そうでした。

 

健康な体を保つために栄養は大切です。

栄養補給のために缶に入った液体の栄養剤をお出しすることになりました。

 

私もこの栄養剤を試飲したことがあるのですが、少量でも栄養価が高いことと引き換えにかなり甘めの味付けになっており、そこが患者さんによって好みが分かれるポイントになっているようです。

 

お酒好きな方のなかにはこれをお酒と割って召し上がる方もいらっしゃるそうで、「カクテルのようでおいしい。」と好評だそうです。

 

さて、カクテルの語源を調べたところ様々あるようですが、その中の一つに「ニューオーリンズの薬屋」発祥説というものを見つけました。

 

1775年ごろアメリカのニューオリンズの薬屋さんが病人向けにブランデー(またはラム)をベースにした卵酒を「コクチュ(coquetier、フランス語で卵屋の意味)」として販売したところ評判となり、いつしか「コクチェ」のような混ぜ物をした飲み物を「コクテール」と呼ぶようになったというお話です。

 

栄養剤にお酒を混ぜて飲むなんて、と少し驚きましたが実はこれこそが正統派カクテルなのかもしれません。

 

ちなみにたんぽぽクリニックではこの栄養剤を好みに合わせて召し上がっていただけるよう、クックパッド上でレシピを公開しています。

 

クックラボの皆さんを中心に考えたメニューだそうで、わらび餅やプリンなどおいしそうなメニューがたくさん載っています。

 

他にも嚥下が難しくなった方でも食べやすいようなメニューがあります。

 

私も体調を崩して食欲がわかないときに試してみようかなと思いました。

 


Connecting the Dotts

たんぽぽクリニックでは、毎週金曜日の朝のカンファでクレドを全員で朗読します。

 

今日は「私の生き方生きる上で、大切なこと。」の項で、Steave Jobsがスタンフォード大学で行ったあの有名なスピーチから抜粋された”Connecting the Dotts(点と点をつなげ)”の解釈についてでした。

 

「その時(Dot)その時(Dot)を一生懸命生きよう!いつか人生の中で、必ずその点(経験)はつながって結びついていくでしょう。」

 

中学時代、学校帰りに友達と自転車で走り回っていたとき、クリニックの前を「”たんぽぽ”だってさ。かわいい名前の病院だねー!」と言いながら通り過ぎたことを覚えています。

あの頃はここが在宅医療に取り組む病院であることは知らず、10年後に自分が医師として研修させて頂くなんて想像もしていませんでした。DotとDotがつながって今があります。

 

このクレドは愛媛大学医学部の基本理念である「患者から学び患者に還元する教育・研究・医療」と共通する概念であると感じます。この研修で患者さんから学んだことを次のDotにつなげて、患者さんへ還元できるよう精進したいと思います。


KingじゃなくてQueen

今日は診療に同行しました。

 

とある患者さんのお宅に伺ったときのこと、玄関を入ると大きな歌声が聞こえてきました。

ご家族によると「イギリス国家を歌っていたんです。」とのことで、私も一緒に歌うことにしました。

 

「〜 Send him victorious, Happy and glorious, Long to reign over us, God save the King ♪」

 

「KingじゃなくてQueenですよ。」と言った後に気が付きました、患者さんがこの歌を覚えたころのイギリス君主はエリザベス女王ではなくジョージ6世だったのでしょう。

 

調べたところによるとエリザベス女王は現在92歳でいらっしゃるそうで、患者さんたちにも同世代の方がたくさんおられます。

 

たんぽぽクリニックで研修を始めて、100歳前後の高齢患者さんとお話することが増え、教科書の中でしか知らなかった時代を身近に感じることがしばしばあります。

 

患者さんが見てきた時代のお話をもっとゆっくり聞いてみたいな、と思いました。


「また来てね。」

今日の午前は矢野先生の診療に同行し、緩和医療に関する講義を受けました。

 

たんぽぽクリニックで研修させていただくようになって半月が経ち、たくさんのお宅に伺いました。

 

「はじめまして、研修医の浮穴です。」と名乗ると、患者さんもそのご家族もみなさん笑顔で迎え入れてくださります。

 

「おじゃまします。」と言いつつスタスタとおうちにあがり、ベッドの横で診察を始めます。

しかし、よく考えてみればこれはすごいことです。

 

核家族化が進み隣の家に誰が住んでいるかさえ知らないことも珍しくない現代で、いきなり知らない人間が寝室に入ってきたら……。

 

たんぽぽクリニックの一員として診療に来ているからこそ、叫ばれたり物を投げつけられたりすることもなく歓迎され、「また来てね。」なんて嬉しい言葉をいただけるのです。

 

自分が訪問診療を受ける立場であったら……?

 

第三者を家に上げることは少なからず抵抗を感じることです。

笑顔で迎え入れるのは相手を信頼しているからなのではないかと思います。

 

研修医という立場ではありますが、自らも患者さんからのたんぽぽクリニックへの信頼を損なわないような行動を心がけなければならないと思いました。


リハビリの有用性

今日は午前午後ともに診療に同行しました。

 

総合病院での研修では処置が必要な場合は皮膚科に診療依頼をしていたため、自分自身で創部の洗浄やデブリドマン、保護材の選択をしたことがなく、幅広い知識の必要性を感じました。

 

夕方には穂波の里クリニックさんとのウェブ交流会に参加し、院外施設でのリハビリの有用性についての発表を聞きました。

 

研修中に入院中の患者様のリハビリ依頼を出す機会は多くありましたが、実際のリハビリの様子はほとんど見たことがありませんでした。「立つことが難しいからリハビリを。」と言っても、患者さんひとりひとりに個性があるのと同様に、リハビリの方法やモチベーションの維持も患者さんに合わせて様々であり、それをチームで話し合って工夫していたことが印象的でした。


寄り添う医療を

病状の程度に関わらず、患者さんは「寄り添う医療」を求めていますが、医療者が「治す医療」の提供に懸命になることで意図せず患者さんに不安や悲しみを感じさせてしまうことがあるようです。

 

「患者は必死です。先生のことを見ていますよ。些細な表情の変化や動きで何を考えているか手に取るようにわかるんです。」

 

学生時代から患者さんに分かりやすい「言葉選び」に関する教育を受けてきましたが、ノンバーバルコミュニケーションの重要性を痛感し、医療者に人間力が求められていることを再認識しました。

 

この研修中にたんぽぽクリニックのみなさんから「寄り添う医療」を学びたいと思いました。


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